小島グループの初代Bは焦っていた。愛知県から雌雄鑑別師として新潟に住み着いて
それまでの養鶏場との人脈を伝手にして鶏肉の処理工場を設立。
一貫した現場主義で何の趣味を持たない・・・しかし海釣りだけは唯一の楽しみだった。
メインバンクの年に一度の釣り大会も毎年優勝するものだからとうとう殿堂入りさせられて
ようやく初夏の4月の佐渡沖、桜鯛や黒そい・・・・こんなチャンスはめったにない。
・・・・それなのに・・・4月2日、何もこんな日に次男Sの結婚式を入れななくとも。
何としても釣りに行きたい・・・鯛やメバルが待っている。
最初はとぼけて「・・・ああお前の結婚式だったか?・・・うーーん困ったなあ」
「やはり・・・その式に俺も出席しなければだめか????」
すべて実話です。
一句 さくらさくら歌う桜に観る桜描く桜に詠まるる桜 志ん笑